私大協2K20605メモ(文責 橋本)
参加者 
私大協有志;北里 田中、帝京 冨澤、埼玉 小高、慈恵 能勢、近畿 喜多。
新規参加; 日大 海野
研究班;堀口、橋本
2002年6月5日午後1-3時半、於 帝京大学板橋病院医療システム部会議室。

内容 1.6月2日特定機能病院説明会での内容の確認、質疑応答。
2.様式1、2提出体制の整備にあたっての問題点の抽出。
3.4月以降の運用体制に関する情報提供の要望とりまとめ。

質疑応答から
冨澤(帝京) 矢島企画官が4月以降様式が大幅に変わると言明したが、4月以降の提出物がどのようになるのかの見通しが欲しい。様式1と2はどのような形になるのか?
橋本 様式2についてはほぼ現行のまま固まると思うし、様式1についても中身・項目についてはむしろ今より削られるかもしれない。入院経路などは運用段階にはいれば必要なくなるだろう。長期的見通しとしては、様式1は最終的には新しい改革後レセプトの一枚目と同じとなり、おそらく電子請求の方向を目指すことになるだろう。ただし、現時点では支払い基金のほうも健保連のほうも電子請求そのものについてはまだ実験段階を越えて運用についての議論はまだ浅い状態であり、これが来年4月から、というわけに行くかどうかは不透明。事と次第によっては紙ベースでの新レセプトなんてことになる可能性もあるかもしれない。様式2についてはE/Fファイルとして生き残ることになるだろう。
冨澤(帝京) 4月以降のレセプト改訂、というか大幅変更は日程的に間に合うのか?メジャーベンダーは間に合うかもしれないが、末端の施設で対応が間に合うかどうかは危うい。ベンダーの厚労省担当者と末端のSEとの温度差が大きく、これが大きなネックだ。
小高(埼玉) 5月31日に富士通がフィールドのSEを集めた説明会を開いている。様式1については富士通としては標準的なパッケージ対応不可能とのことで統一し、入力票による手作業か、病名オーダーの流し込み程度ということで対応することにしている。
冨澤(帝京) 様式2についてはRDDL方式については標準を7月末、各施設でのカスタマイズはそれ以降といってきている。
能勢(慈恵) 様式1のほうについても富士通開発の入力支援システムがあると聞いている。
橋本仕様書を見る限りでは、産業医大で当初開発しようとしていたが、結局挫折して手入力になったもののようだ。今回支援ソフトの使い方として3つ提示されているが、紙入力・中央集中入力方式を取るのがほとんどとなるだろう。一部独自の病名オーダーなどやっている施設でも様式1の内容をカバーできている範囲が狭ければ、システム上後退することにはなるが、7‐10月については手作業のほうをお勧めとなる。
田中(北里) 北里は結局後退して手作業にすることとした。
海野(日大) 日大もこれまで退院票でやってきたことを病院長(泌尿器科)の科で試験的に入院時からカルテに差し込んで回収する方式をやりだしうまくいったので(回収率が高い)、これを全病院対応でやることとした。
冨澤(帝京) 病名検索1つとっても、どうも病名君と以前うちが東大医療情報部の波多野氏からもらったもの、それと今回の入力支援システムに入っているものではヒットするものが微妙に異なる。診断群分類研究班と病名標準化研究班とではどのように整合性を図ってきているのか、いないのか?それからMEDISの第3版、支払い基金の新レセコン疾病マスター、などなどいろいろ出てきていてどれがいつの時点のバージョンで一番アップデートされているのか、今回どれを使うことを推奨されているのかわからなくなってきている。
橋本 確かに診断群分類の研究グループとコード研究グループ(大江班)との連絡は上層部でのつながり程度でこれまでちゃんと研究会レベルでの交流ができていない。今後新たに大江先生も診断群分類のほうの研究グループに参画することにはなっているが。コードの互換性等々については今後詰めるべきところはまだある。病名君のほうも実は対応ICDコードが.9コードにすぐ入りこんでしまうなどいろいろあり。なお疾病マスターについては支払い基金新マスターが尤も標準的とみなせる。医学会の認証もすみ、厚労省からHPで公開されているはずだ。確認する。
喜多(近畿) システムを作る方向でうちは対応を開始していた。年初の第2次補正予算で降りた私大補助金に手をあげてしまったし。全科共通でICD入力、大改修してOnsite入力を考えていた。でもレセ電算の病名と様式1の病名と、つまり保険の病名と研究用の病名の一貫性を持たせたいのだが。様式1についても電子カルテを考えて画面を造りこんでいくつもりだった。
橋本 その点では、今回の新レセ電算コードはその統一を考えてつくられたもの。とはいえ様式1そのものについては内容はよいとしてもレイアウトなどなどは今後まだ動く可能性が高く、現時点でシステムの作りこみを固めてしまうのはお勧めできない。それから保険病名と臨床病名だが、これまでのような保険病名は外来では依然必要だろうが、入院については包括化によって必要なくなる。ただし、医師がつける主病名と「医療資源を最も投入した病名」とのずれは発生してくるだろう。新しいバージョンの臨床・保険病名並列としてはこの主傷病名(医師むけ臨床病名)、資源病名(包括化での保険病名)の2本だてとなる。
堀口 病名・ならびにそこから出てくるDPCを病院内でどう使うかにもよる。内部でも会計や経営戦略上の情報として取り扱うのか、あくまで請求のためと割り切るのか。その上で4月以降の運用を早く決めてやる必要が益々強まっている。
田中(北里) 北里は紙ベースでいく。予定入院カルテに挟み込んでおき、緊急入院はカルテを起こすときにいれる。Drに書いてもらうところだけ色づけしておいて、書いたら退院係におろす。医事課で記入漏れをチェックし資源投入が不明確ならリスト出して各科担当上級医に選ばせる。それを病歴に送ってICDコーディングし、支援ソフトに最終的に一括入力する。様式2はすでに昨年10月でエクセルベースのものを作ってあるので、それでいく。事前にDrへの説明会を2回ほど開き、7月以降調査開始後に再度運用を見直す。医者に入力させるのは多分ムリだと思っている。病名くんなどで選ばせるのもムリだろう。病名を選ぶ作業に、パスオーダーとか電子サマリーとか付加価値がついてこないと、すべてばらばらのシステムで動いている間はとてもやってもらえない。電子カルテ化できてから考える。それまではシステム的には退行するが紙で人海戦術を取る。なおEFファイルだが、エクセルでならいいが、EFファイルという形を4月以降Defactとされると北里は対応が厳しい。それこそ富士通のパッケージを買いなおしたほうがいいことになってしまう。
冨澤(帝京) EFの形態と4月以降のレセプトの形態との関連が気になる。いつごろ運用雛型が出るのか?今年の改定は2年ごとの改訂とは話が違うので、2月3月になっていわれても対応しきれない。
田中(北里) 4月以降に提出を求められるものが何種類あってどのようなフォーマットなのか、見通しが欲しい。入院については新しい様式1型のレセプト、これが電子なのか紙なのか、また矢島企画官の話では一年目については従来型の紙レセプトも出せといわれている。それに外来のほうは従来の紙レセプト・もしくは従来レセプトの電子化など話が交錯していて見通しが利かない。其の上私大補助金を貰った大学、北里もそうだが、そういうところは標本病院としてデータ提出を求められるようになるのだろうか?それとも全病院調査とかなのか。
次回会合にむけて
6月13日に私大協情報処理研
20日に医事問題研
18日に矢島企画官を招いた第6回会議。

次回予定
7月3日 1−3時、帝京にて。
題目は「調査データ収集、運用開始後の問題点について」
「4月以降についての問題点整理」
以上。